東京地方裁判所 昭和56年(ワ)12456号 判決 1983年11月14日
原告
田嶋和男
ほか二名
被告
谷山義男
ほか一名
主文
一 被告らは各自、原告田嶋和男に対し、金七七二万二〇五六円及び右金員に対する昭和五六年一〇月一五日から完済まで年五分の割合による金員を支払え。
二 被告らは各自、原告田嶋和子に対し、金七七二万二〇五六円及び右金員に対する昭和五六年一〇月一五日から完済まで年五分の割合による金員を支払え。
三 被告らは各自、原告田嶋久司に対し、金二一万一八〇〇円及び右金員に対する昭和五六年一〇月一五日から完済まで年五分の割合による金員を支払え。
四 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。
五 訴訟費用はこれを五分し、その二を原告らの、その余を被告らの負担とする。
六 この判決は、原告ら勝訴の部分に限り、仮に執行することができる。
事実
第一当事者の求めた裁判
一 請求の趣旨
1 被告らは各自、原告田嶋和男に対し金一六三〇万九一三九円、同田嶋和子に対し金一六三〇万九一三九円、同田嶋久司に対し金八四万六五八五円、及び右各金員に対する昭和五六年一〇月一五日から各完済まで年五分の割合による金員を支払え。
2 訴訟費用は被告らの負担とする。
3 第1項につき仮執行宣言。
二 請求の趣旨に対する答弁
1 原告らの請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告らの負担とする。
第二当事者の主張
一 請求の原因
1 事故の発生
(一) 日時 昭和五五年六月三〇日午後一〇時五五分ころ
(二) 場所 埼玉県入間市大字中神三九四番地先
(三) 加害車両 被告谷山義男(以下、被告谷山という)運転、被告田村賢二(以下、被告田村という)所有の普通乗用自動車(練馬五七む一六六〇号、以下、本件車両という)
(四) 被害者 本件車両に同乗していた亡田嶋智弘(以下、亡智弘という)及び原告田嶋久司(以下、原告久司という)
(五) 態様 本件車両が前記場所の道路を青梅市方面から入間市街地方面に向け進行するにあたり、道路左側路外に暴走し、同車の右側面がコンクリート製電柱に激突し、そのまま茶畑に突つこみ、同車の前部を軸として半回転した。
(六) 結果 亡智弘は頭蓋底骨折により同日死亡し、原告久司は頸椎捻挫、両上肢打撲擦過傷、顔切創等により、入院五日間、通院治療一〇か月の傷害を負つた。
2 責任原因
(一) 被告谷山
被告谷山は、本件車両の運転者として、時速一一〇キロメートル以上で運転した速度違反、前方不注視及びハンドル操作不適切という過失があるから、民法七〇九条に基づき損害賠償責任を負う。
(二) 被告田村
被告田村は、本件車両の所有者として、これを自己のために運行の用に供していたものであるから、自動車損害賠償保障法(以下、自賠法という)三条に基づき損害賠償責任を負う。
3 損害
(一) 亡智弘に関する損害
(1) 原田病院初診料 金九二〇〇円
(2) 死体検案料 金四万円
(3) 死体検案書料 金四〇〇〇円
(4) 死体運搬費用 金三万一八〇〇円
(5) 葬儀費用 金一〇二万〇三七〇円
(6) 三五日・四九日法要費用 金八万九一六〇円
(7) 雑費 金三七五〇円
(8) 逸失利益 金三九〇六万九九九八円
亡智弘は、死亡当時日本大学工学部土木科三年在学中の二一歳の健康な男子であり、本件事故により死亡しなければ、二二歳から六七歳までの四五年間大学卒男子の平均給与(昭和五六年度年収金四三九万六三〇九円)を得られたはずであり、生活費を五〇パーセント控除し、ライプニツツ式計算法により中間利息を控除して逸失利益の現価を求めると、次のとおり金三九〇六万九九九八円となる。
4,396,309×(1-0.5)×17.774=39,069,998
(9) 慰藉料 金一二〇〇万円
原告田嶋和男及び同田嶋和子(以下、原告和男及び同和子という)は亡智弘の父母であり、長男である亡智弘を失つた精神的苦痛に対する慰藉料は、各金六〇〇万円が相当である。
(10) 弁護士費用 金三五万円及び判決の認容額の一割
(11) 損害のてん補 金二〇〇〇万円
(12) 請求額合計
原告和男及び同和子は、前記(1)ないし(7)及び(10)の各金員につき二分の一ずつ負担し、(8)の金員につき二分の一ずつ相続取得し、(11)の金員につき二分の一ずつてん補を受けたので、右各原告の請求額は各金一六三〇万九一三九円(但し、弁護士費用は金三五万円として計算)となる。
(二) 原告久司の損害
(1) 入院治療費 金二四万八四五〇円
(2) 通院治療費 金六万六五八五円
(3) 付添費用 金二万六五五〇円
(4) 入院雑費 金五〇〇〇円
(5) 慰藉料 金五〇万円
(6) 請求額合計 金八四万六五八五円
4 原告らは被告らに対し、昭和五六年一〇月六日付内容証明郵便により、各損害金を同書面到達後七日以内に支払うよう催告し、右書面は同月七日被告らに到達した。
5 よつて、被告ら各自に対し、原告和男及び同和子は各金一六三〇万九一三九円、原告久司は金八四万六五八五円、及び右各金員に対する催告後の昭和五六年一〇月一五日から各完済まで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。
二 請求の原因に対する認否
(被告谷山)
1 請求の原因1の事実は認める。但し、本件車両の運転者が被告谷山であるとの点については、一旦自白したが、右は真実に反することが明らかであり、錯誤に基づく陳述であるから、これを撤回する。
2 同2(一)は争う。
3 同3のうち、(一)(11)の損害のてん補の事実は認めるが、その余は争う。
4 同4の事実は認める。
(被告田村)
1 請求の原因1のうち、原告久司の傷害関係の事実は知らないが、その余の事実は認める。
2 同2(二)のうち、被告田村が本件車両の所有者として、これを自己のために運行の用に供していたことは認めるが、責任を争う。
3 同3のうち、(一)(8)の亡智弘が死亡当時日本大学工学部土木科三年在学中の健康な男子であつたこと、(一)(9)の原告らの身分関係、(一)(11)の損害のてん補の事実は認めるが、その余の事実は知らない。
4 同4の事実は認める。
三 抗弁
1 被告谷山
仮に、被告谷山が本件車両を運転していたとしても、過失相殺を主張する。すなわち、亡智弘は、本件事故直前に本件車両を運転し、高速走行の危険性を十分認識しながら、被告谷山が運転を始めると、「まわせ、まわせ」とはやし立て、加速して高速走行させたため、本件車両がコントロールを失い暴走をしたものである。右の事情を考慮して過失相殺すれば、原告らの損害は、もはや自賠責保険金で十分てん補されている。
2 被告田村
(一) 亡智弘及び原告久司は、自賠法三条にいう「他人」にあたらない。
(1) 本件事故は、亡智弘、原告久司、被告らの四人でドライブ中に発生した。
(2) 原告久司は、ドライブの初めに都内で本件車両を運転し、亡智弘は、本件事故直前まで数回にわたつて運転しており、ドライブの目的は本件車両を運転することにあつた。
(3) 被告谷山は、被告田村の友人ではなく、亡智弘の友人であり、かつ、被告谷山が運転するようになつたのは亡智弘が誘つたからである。
(4) 本件事故に至るまで、各自がかなり無謀な運転をしていたにも拘らず、誰もあえてこれを阻止するような行動をとつていない。
(5) よつて、亡智弘及び原告久司は、本件車両の運行供用者と同視さるべきであり、自賠法三条にいう「他人」にあたらない。
(二) 仮に、右が認められないとしても、自賠責保険から、亡智弘の死亡に関し、原告和男及び同和子に対し、合計金二〇〇〇万一三〇〇円、原告久司の傷害に関し同人に対し、金三八万三七八五円が支払われている。また、被告田村は葬儀の際に香典名下に金一〇万円、四九日法要に金一万円、一周忌に金一万円の合計金一二万円を原告らに支払つている。
前記(一)の事情に照らすと、原告らの損害は大幅に減額されるべきであるから、その損害は右保険金及び香典等で十分てん補されている。
四 抗弁に対する認否
1 抗弁1の過失相殺の主張は争う。
2 抗弁2(一)の他人性に関する主張は争う。同(二)の自賠責保険から主張の金員が支払われたことは認め、その余の香典等については争う。
第三証拠
本件記録中の書証目録及び証人等目録記載のとおりであるから、これを引用する。
理由
一 請求の原因1(事故の発生)のうち、(一)日時、(二)場所、(三)加害車両の所有者、(四)被害者、(五)態様及び亡智弘が頭蓋底骨折により事故当日死亡したことは、いずれも各当事者間に争いがない。
同(三)加害車両の運転者については、原告らと被告田村との間では争いがない。被告谷山は、本件車両の事故発生時の運転者が同被告であることを一旦自白した後、右は真実に反することが明らかであり、錯誤に基づく陳述であるから、これを撤回する旨述べているが、成立に争いのない甲第三、三八、四八、四九号証、原告久司及び被告田村各本人尋問の結果に照らすと、右自白が真実に反することの証明はないというべきである。従つて、本件車両の事故発生時の運転者は被告谷山ということになる。
また、原告久司が本件事故により、頸椎捻挫、両上肢打撲擦過傷、顔切創等により、入院五日間、通院治療一〇か月の傷害を負つたことは、原告らと被告谷山との間では争いがなく、原告らと被告田村との間では、成立に争いのない甲第五、六、八、九号証及び原告久司本人尋問の結果によりこれを認めることができ、他に右認定に反する証拠はない。
二 請求の原因2(責任原因)について判断する。
1 前掲甲第三八、四八、四九号証、成立に争いのない甲第四三ないし四五号証によれば、被告谷山は、本件車両の運転者として、本件事故現場道路の最高速度が毎時四〇キロメートルと指定されているうえ、左右に湾曲しているので、右指定速度を遵守することはもちろん、道路状況に応じた的確なハンドル操作をなし得るよう速度を調節し、進路の安全を確認しながら進行すべき注意義務があるのに、これを怠り、時速約八〇キロメートルの高速で進路の安全を確認することなく進行した過失により、本件事故を発生させたことが認められ、他に右認定を左右するに足りる証拠はない。
よつて、被告谷山は、民法七〇九条に基づき損害賠償責任を負う。
2 被告田村が本件車両の所有者として、これを自己のために運行の用に供していたことは当事者間に争いがないから、同被告は、自賠法三条に基づき損害賠償責任を負う。
三 次に、抗弁について判断する。
1 成立に争いのない甲第三七号証、乙第一号証の二、第三ないし六号証、前掲甲第四八、四九号証、原告久司及び被告田村本人尋問の結果によれば、以下の事実を認めることができ、他に右認定を覆すに足りる証拠はない。
(一) 被告田村は、本件事故当日午後七時すぎころ、本件車両を運転して友人の亡智弘方を訪れ、同人をドライブに誘つたところ、亡智弘が原告久司を誘い、結局、三人でドライブに出かけることになつた。最初しばらく原告久司が本件車両を運転し、途中で被告田村と運転を交替し、一旦亡智弘方に戻つたが、川越までドライブしようとの相談がまとまり、午後八時すぎころ、亡智弘が本件車両を運転して出発した。そして、関越高速道路練馬インターチエンジからは被告田村が運転し、川越インターチエンジまで時速二〇〇キロメートル近い高速で走行した。
(二) 続いて、川越市から入間市まで被告田村が本件車両を運転していたが、入間市東町二丁目四番五〇号所在セブンイレブンまで来た際、亡智弘がその近くに住む友人の被告谷山を電話で呼び出し、四人でドライブすることになつた。その後、被告谷山、被告田村、亡智弘、被告谷山の順序で本件車両を運転したが、被告谷山が運転中に、被告田村及び亡智弘が「まわせ、まわせ」と声をかけ、エンジンの回転数を上げるようにはやし立てたり、亡智弘が運転中に道路の側壁にぶつかりそうになり、亡智弘は「危いから」と言つて被告谷山と運転を交替したことがあり、その後本件事故が発生するに至つた。
2 ところで、自賠法三条の「他人」とは、当該車両の運転者及び運行供用者以外の者をいうが、亡智弘及び原告久司が本件事故当時運転者でなかつたことは前認定の事故態様から明らかであるし、右1認定の事実関係に照らしてみても、同人らが運行供用者であつたことを認めるに足りる証拠はないというべきであるから、被告田村の他人性に関する主張は失当である。
3 もつとも、公平の観念上、前記1認定の事実関係を亡智弘に関する損害全体についての減額事由とし、原告久司の慰藉料の斟酌事由とするのが相当であると思料する。
四 そこで、損害について判断する。
1 亡智弘に関する損害
(一) 原田病院初診料 金九二〇〇円
成立に争いのない甲第一〇号証及び原告和男本人尋問の結果により認める。
(二) 死体検案料 金四万円
成立に争いのない甲第一一号証及び原告和男本人尋問の結果により認める。
(三) 死体検案書料 金四〇〇〇円
成立に争いのない甲第一一、一二号証及び原告和男本人尋問の結果により認める。
(四) 死体運搬費用 金三万一八〇〇円
成立に争いのない甲第一三号証及び原告和男本人尋問の結果により認める。
(五) 葬儀費用及び三五日・四九日法要費用 金七〇万円
成立に争いのない甲第一四ないし二九号証及び原告和男本人尋問の結果によれば、亡智弘の葬儀費用及び三五日・四九日法要費用として金七〇万円を超える費用を要したこと(葬儀費用だけでも金七〇万円を超える)が認められ、そのうち金七〇万円を本件事故と相当因果関係のある損害と認める。
(六) 雑費 金三七五〇円
成立に争いのない甲第三〇ないし三五号証及び原告和男本人尋問の結果により認める。
(七) 逸失利益 金三六九九万〇四一〇円
成立に争いのない甲第一号証、原告和男本人尋問の結果及び弁論の全趣旨によれば、亡智弘は、昭和三四年四月一八日生まれの男子で、本件事故当時は二一歳で、日本大学生産工学部土木工学科三年に在学中であり、本件事故がなければ二二歳から六七歳までの四五年間稼働可能であつたことが認められ、他にこれに反する証拠はない。
そこで、昭和五六年賃金センサス第一巻第一表産業計・企業規模計の大学卒男子の全年齢平均賃金四三七万〇四〇〇円を基礎とし、生活費を五割控除し、ライプニツツ式計算法により年五分の割合による中間利息を控除して逸失利益の現価を算出すると、次のとおり金三六九九万〇四一〇円となる。
4,370,400×(1-0.5)×(17.88-0.9523)=36,990,410
(八) 慰藉料 金一一〇〇万円
本件事故態様、亡智弘の年齢その他本件にあらわれた諸般の事情を考慮すると、亡智弘の死亡に対する慰藉料は合計金一一〇〇万円が相当と認める。
(九) 相続等
前掲甲第一号証、原告和男本人尋問の結果及び弁論の全趣旨によれば、原告和男及び同和子の亡智弘の損害についての法定相続分は各二分の一であること、右原告らは、前認定(一)ないし(六)の各費用を二分の一ずつ負担したことが認められる。
(一〇) 以上の(一)ないし(九)の各認定を覆すに足りる証拠はない。
2 原告久司の損害
(一) 入院治療費 金二四万八四五〇円
前掲甲第五、六号証及び原告久司本人尋問の結果により認める。
(二) 通院治療費 金六万六五八五円
前掲甲第八、九号証及び原告和男本人尋問の結果により認める。
(三) 付添費用 金二万六五五〇円
成立に争いのない甲第七号証及び原告和男本人尋問の結果により認める。
(四) 入院雑費 金四〇〇〇円
前掲甲第五、六号証及び弁論の全趣旨によれば、原告久司は、本件事故により昭和五五年七月一日から五日間入院して治療を受けたこと、一日あたり金八〇〇円の入院雑費を要したことが認められる。
(五) 慰藉料
前掲甲第八、九号証によれば、原告久司は、昭和五五年七月一七日から昭和五六年五月二七日までの約一〇か月の間に四回通院して治療を受けたことが認められ、他に右認定に反する証拠はない。
そして、本件事故態様、前記入院及び右通院治療の経過、前記三1の事実関係その他諸般の事情を考慮すると、原告久司の傷害に対する慰藉料は金二五万円が相当と認める。
(六) 以上(一)ないし(五)の各認定を覆すに足りる証拠はないから、原告久司の損害額合計は金五九万五五八五円となる。
3 減額
前記三1の事実関係に照らし、亡智弘に関する損害について全体の三割を減額すると、原告らの有する損害賠償債権額は、原告和男及び同和子が各金一七〇七万二七〇六円となる。
4 損害のてん補
自賠責保険から、亡智弘の死亡に関し、原告和男及び同和子に対し合計金二〇〇〇万一三〇〇円、原告久司の傷害に関し同人に対し金三八万三七八五円が支払われたことは当事者間に争いがない。
被告田村は、亡智弘の葬儀の際に香典名下に金一〇万円、四九日法要及び一周忌に各金一万円を原告らに支払つた旨主張し、被告田村本人尋問の結果によれば右事実を認めることができ、他に右認定に反する証拠はない。
ところで、右金一〇万円は香典名下に支払われているが、被告田村の年齢、資力、被告田村と亡智弘の交友関係等に照らすと、右金員は原告らに対して贈与の意思で交付されたものとは認め難く、むしろ、慰藉料の一部の弁済に充てる趣旨で交付されたものと推認することができ、他方、四九日法要及び一周忌に支払われた各金一万円は、その金額や支払われた時期等に照らすと、原告らに対して儀礼的範囲に属するものとして贈与の意思で交付されたものと推認することができ、右各推認を覆すに足りる証拠はない。
右によれば、原告らの有する損害賠償債権は、原告和男及び同和子が各金七〇二万二〇五六円、原告久司が金二一万一八〇〇円となる。
5 弁護士費用
原告和男及び同和子各本人尋問の結果及び弁論の全趣旨によれば、右原告らは、被告らが任意に損害の賠償をしないので、原告ら訴訟代理人に本訴の提起、追行を委任し、相当の報酬を支払う旨約したことが認められるところ、本件事案の内容、性質、審理の経緯、認容額等諸般の事情を考慮すると、本件事故と相当因果関係ある損害として認め得る弁護士費用は、原告和男及び同和子につき各金七〇万円が相当と認める。
6 請求の原因4(支払催告)の事実は当事者間に争いがない。
五 以上の次第で、原告らの本訴請求は、被告ら各自に対し、原告和男及び同和子が合計各金七七二万二〇五六円及び右各金員に対する催告後の昭和五六年一〇月一五日から各完済まで民法所定の年五分の割合による遅延損害金、原告久司が金二一万一八〇〇円及び右金員に対する右同日から完済まで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払をそれぞれ求める限度で理由があるから正当として認容し、その余の請求はいずれも理由がないから失当として棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条、九二条、九三条を、仮執行の宣言につき同法一九六条をそれぞれ適用して、主文のとおり判決する。
(裁判官 芝田俊文)